旭日旗が憎くて韓国テレビが犯す日本文化歪曲

韓国よ、おかしいだろう。韓流だ!韓流だ!!といって、愚にもつかない音楽やテレビドラマを大量に国外に垂れ流しておいて、韓国に入る日本文化については、自分たちの勝手な思い込みで規制し、改竄するというのは、韓国も標榜する「自由貿易の精神」、つまり障壁をつくらず、自由にモノや情報を流通させるという、人類が到達した自由主義経済の原則に反しているのではないか。

ここで指摘するのは、韓国人が自国文化を世界に流通させることは重大国策として熱を上げて取り組みながら、隣の国・日本の文化の流入には厳しい規制をかけ、日本古来の文化を否定し、勝手に改竄することには何のためらいもなく、隣の国の文化や歴史など無視、軽蔑して当たり前だ、という彼らの傲慢な態度、考え方のことである。

韓国のケーブルテレビで日本のニュースやドラマを見ていて、どうしても許せないと思うのは、日本の漁業に従事する人たちが、船上やお祝いの場で日常的に掲げる大漁旗が、韓国のテレビチャンネルの画面に現れると、そのつど、その旗にモザイクやぼかしを入れ、それが大漁旗であることを分らなくさせることだ。

実際に目にした例でいえば、ドラマ「釣りバカ日誌」(テレビ東京系)のハマちゃんこと浜崎伝助(濱田岳)が恋人にアピールしようと歩道橋の上で大漁旗を大きく振り回すシーンで、画面いっぱいの大漁旗にぼかしが入れられた。また「孤独のグルメ」(テレビ東京系)で井之頭五郎(松重豊)が北海道旭川市に出張し、地元の大漁旗を製作する染め物屋を訪れたシーンで、大漁旗のサンプルが印刷されたパンフレットのなかの一部の大漁旗にだけぼかしが入れられた。

ぼかしが入れられたこれらの大漁旗に、何が描かれているかといえば、真っ赤な太陽の光が放射状に広がる「旭日」の文様が描かれていることは誰が見ても明らかだ。要するに、韓国ケーブルテレビの日本ドラマの画面に施すモザイクやぼかしの処置は、あたかも旭日旗は見てはいけないもの、そこに存在してはいけないものとして、視聴者の見る権利を奪う姑息な小細工なのである。

まさか、「釣りバカ日誌」や「孤独のグルメ」が、旭日旗を使って「日本の軍国主義」を喧伝している訳でもあるまいに・・・。この二つのドラマは、韓国でも人気があるから、韓国語の字幕をつけて放送しているのだろう。ドラマに日本の軍国主義を鼓吹する意図があったのなら、手間ひまかけて画面から大漁旗を消す前に、最初からそんな番組など購入しないはずだ。

なぜか、韓国では、ここ10年か20年の間に、それ以前には何の言挙げをすることもなかったのに、日本の「旭日旗」の模様を突然、極端に嫌悪するようになった。韓国だけならまだしも、そうした動きを世界中に仕向けるように血道を上げている。太陽の光が四方に放出する朝日の模様を、ナチスの旗と同じように悪魔の意匠でもあるかのように見なすように世界中を仕向け、旭日の文様が、芸術作品や衣服や建物、雑誌、ポスターなどのデザイン、商品などアイテムの意匠に何気なく使われただけで、激しいクレームをつけ、それらを削除、廃棄、改変するよう執拗な圧力をかけている。

そうした行為に対して、韓国のマスメディアや一般大衆は何の疑いもなく、それを当然のごとく受け入れ、マスコミやネチズンはなおさら煽り立て、旭日のように見える紋様をちらっとでも目にすれば、その途端、目を剥き、感情をむき出しにして、まるで脊髄反射、つまり「パブロフの犬」のように、いわゆる「火病」(ファッビョン)と呼ばれる、「怒りを抑えられない」「すぐにカッとする」など韓国特有の病気の症状を訴える、のである。(「火病」については以下のKBS日本語放送「玄界灘に立つ虹」の解説が詳しい)

しかし、冷静に考えて欲しい。少なくとも10年ちょっと前までは、旭日旗を見ても、韓国政府、韓国マスコミ、韓国世論は何の反応も示さなかったのである。その証拠に、金大中大統領時代の1998年と盧武鉉大統領時代の2008年の韓国開催の国際観艦式に自衛隊が旭日旗である自衛艦旗(軍艦旗)を堂々と掲げて参加している。そのとき、あなたたちの目は節穴か、見て見ぬふりをしていた、とでもいうのか。

韓国人が旭日旗を突然、目の敵にし、それまで口にしたこともない「戦犯旗」などという極端な言葉まで口にするようになったのには、はっきりとしたきっかけがあった。2011年1月25日、サッカーアジア杯準決勝の日韓戦で、韓国代表の奇誠庸(キ・ソンヨン)が日本人を侮辱するために「猿まね」のパフォーマンスを行なって「人種差別だ」と批判を受けた際に、「観客席に旭日旗が見えたので、それへの報復のために行った」と主張したことが契機になり、韓国社会で旭日旗が突然、攻撃対象となった。

ところが、試合当日の会場を撮した映像を詳しく調べた結果、観客席に旭日旗が掲げられた事実は確認できなかったという。要するに、韓国選手が言い訳のために口からでまかせで発言した虚言が、何の関係も罪もない旭日旗が犠牲になったのである。

産経新聞によると、1945年以降の産経新聞と朝日新聞の記事データベースを調べた結果、2011年の問題のサッカー日韓戦があった2011年以前に、旭日旗を問題視する韓国人の記事は一切なかったという。それにも関わらず、騒ぎをここまで大きくし、さらに世界中を巻き込むまでに至った背景には、特定の人物と団体の名前を挙げてその責任を追求することができる。それはソウルの誠信女子大学教授の徐坰徳(ソ・ギョンドク)氏とVANK(Voluntary Agency Network of Korea・自称「民間外交使節団」)と呼ばれる団体である。

徐氏もVANKもネット上で「旭日旗」あるいは「旭日デザイン」探しの活動を行い、同じくSNS上で「旭日旗は戦犯旗であり、ナチスのハーケンクロイツと同じだ」という勝手な主張を繰り広げ、マスコミへの告発、抗議、妨害、圧力を繰り返している。一介の大学教授の、学問とは何の関係もない個人的な趣味のような活動、「どこそこの製品に旭日旗の文様が使われた」などという告発を、韓国右派を代表する大手紙『中央日報』などが針小棒大に伝え、煽るだけ煽っているのだ。

旭日旗が韓国でいつどのようにして反日運動の材料に使われるようになったかの経緯は以下のブログに詳しい。<「調査・韓国人はいつから旭日旗に抗議し始めたのか」> 

しかし、外務省がその目立たないサイトで、つつましくパワーポイント文書わずか3枚にまとめ、まるでアリバイ作りのような説明をしているように、朝日が昇る様を描いた旭日旗の文様は、日本では昔からお目出度い象徴として愛され、大漁旗や出産,節句などさまざまな祝い場の飾りとして、日常生活のさまざまな場面で幅広く使用されてきたもので、何ら政治的な主張とか軍国主義に関係するのものではない、のは明らかなのである。そしてこの旭日旗のデザインは、日本ばかりではなく北マケドニア共和国の国旗、米国アリゾナ州やベネズエラ・ララ州の州旗、ベラルーシ空軍旗などでも全く同じ意匠が使われている。

軍旗である旭日旗が、ナチス・ドイツ時代の党旗や国旗と同列に扱うことは間違いで、ナチスのハーケンクロイツは各国で使用が禁止されているが、旭日旗は自衛隊の連隊旗、自衛艦旗として世界各国から認知され、敬意を払われている。旭日旗とナチ旗の由来の違いについては、同じく以下のブログが詳しい。<検証・ハーケンクロイツはナチスドイツの国旗・旭日旗は日本軍旗>

2018年、済州島で開催された国際観艦式への海上自衛隊の参加問題がきっかけとなり、文在寅政権の与党「共に民主党」はその年の10月、韓国内で旭日旗を所持・制作・流布すれば、2年以下の懲役に処するという「旭日旗禁止法」を発議した。旭日旗が描かれたTシャツや帽子などを着用しても懲役刑に処せられる可能性があり、これは国民の表現の自由を著しく抑圧するものだった。結局は廃案になったが、「旭日旗問題」は、2019年夏以降も「NO JAPAN」運動の波に乗って反日を訴える政治目的のための材料になっている。

最近(12月7日)、与党「共に民主党」は国会で野党の反対にもかかわらず「北朝鮮向けビラ散布禁止法」を単独可決した。この法律について、野党側は「韓国人の表現の自由が侵害され、人道主義と人権活動が刑事上違法になる」「この法案は明らかな『金与正下命法』『金与正称賛法』」だと激しく批判し、国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)も「韓国政府は北朝鮮の隣人たちのために自国の国民が基本権を行使するより、金正恩(キム・ジョンウン)委員長の幸せだけに関心があるようだ」と痛烈に批判した。

朝鮮日報12/7「北朝鮮、新型コロナを口実に「韓流流入禁止法」採択」>

韓経12/7「国際人権団体「韓国政府、金正恩委員長の幸せだけに関心」>

ところがその北朝鮮は、最高人民会議常任委員会で、韓流など外部文化流入禁止を法制化する「反動思想・文化排撃法」を採択した。「反動思想・文化」とは、民心を動揺させる資本主義文化だとされ。金正恩委員長も、内部に広がる非社会主義現象をしっ責し、思想・文化の強化を指示したという。要するに韓国政府が海外に売り込みたい「韓流文化」こそ、北朝鮮の体制にとっては「反動文化」そのもので、排撃すべき対象なのである。

朝鮮日報12/7「北朝鮮、新型コロナを口実に「韓流流入禁止法」採択」>

北朝鮮向けの宣伝ビラ散布を禁止する一方で、北朝鮮からは韓国の思想・文化の流入を頑なに拒否されている。こんな状態では文政権がいくら望んでも南北対話などできるはずがない。そもそも北側が最初から拒否している。周辺国への勝手な思い込みに終始している文政権にとってはどこも八方塞がりなのである。

韓国文化の起源をめぐって、最近も中国との間で論争が起きている。韓国人が韓国固有の文化だと主張する韓服・チマチョゴリについて、「明の時代の漢服がもとになっている」、「中国の少数民族の衣装だ」などの主張が中国のネット上に現れたのに続いて、キムチをめぐってもその作り方は中国四川省の「泡菜」が起源だと報じられ、韓国内では大きな反発が広がっている。

また、嵐の松本潤がアメリカの雑誌のインタビューに答え「K-POPのルーツはジャニーズ」と発言したかのよう韓国内で伝えられ、韓国ファンがSNS上で大炎上するという出来事もあったばかりだ。1960年代から活躍しているジャニー喜多川氏の音楽活動に韓国が影響を受けなかったはずがないのだが、BTSの活躍をみる彼らにとって、そのルーツが日本などと言われるとすぐに頭に血が上るのだろう。

文春オンライン11/20「松本潤が韓国で炎上「K-POPのルーツはジャニーズ」発言 ジャニー氏タブーにも触れた米誌インタビューの中身」

自国の誇らしい文化を他所の国から否定されたら、怒るのも当然だと思うが、旭日旗にように、自分たちが他所の国の文化を否定したり侮辱したりするのは、平気だというのであれば、ダブルスタンダードも甚だしい。

旭日旗につばするように、「戦犯旗」だと唾棄する徐教授の行為や、東京オリンピックを「放射能オリンピック」だと称してそれを象徴するガスマスクの聖火ランナーを描いたVANKのポスターについて、私たちの心に残した深い傷と共に、その恨みは、永遠に忘れることはないだろう。

富士の高嶺から見渡せば

大学で中国語を専攻して以来、半世紀にわたって中国・香港・台湾を見続け、朝鮮半島にも関心を持ち続けてきました。これらの国との関係は過去の歴史を含め、さまざまな虚構と誤解が含まれています。富士の高嶺から、雲海の下、わが日本と周辺の国々を見渡せば、その来し方・行く末は一目瞭然。霊峰富士のごとく毅然、敢然、超然として立てば、視界も全開、隣国を含めて同時代の諸相に深く熱く切り込めるかもしれません。

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