日本に勝った「女子バレー日韓戦」韓国では再放送の連続

韓国で東京オリンピックをテレビ観戦していて、どうしても理解できないのは、韓国にある3つの地上波テレビ局が同じ試合を3局同時中継することだ。映像は同じ公式五輪映像なので、違うのは解説者とアナウンサーだけ。解説コメントの違いでチャンネルを選べというわけだ。

韓国選手のメダルが確実とみられるアーチェリー、それに自国代表チームが出場していてもいなくても、好カードとみられるサッカーや野球などの試合は、国民の間の関心が高いと思えば、必ず例外なく3局が同時中継する。韓国には「半国営」のKBS韓国放送公社(国から一部の予算をもらい、強制徴収の受信料と広告費で運営)と自称「公共放送」のMBC文化放送(役員は政府に任命され運営費は広告収入)、それに民間放送のSBSソウル放送の3局があるが、3局とも地上波のほかにケーブルTV用にスポーツ専門チャンネルを持っている。このスポーツ専門チャンネルも必ずといっていいほど同じ競技、同じ試合を生中継し、しかも再放送も3局が同じ時間帯にやることが多い。

これは日本ではまったく考えられないことで、NHKと民放各局はオリンピック中継権は話し合いで決め、BSで一部かぶることはあっても、地上波同士では決して他のテレビ局の中継権を侵害することはない。しかもオリンピックの場合、NHKと民放がJCジャパンコンソーシアムをつくり、各局とも共同制作のプール映像が使われるため、解説者やアナウンサーはみな同じだ。

オリンピック競技は33種目339競技もあるわけで、視聴者になるべく多くの種目の競技を楽しんでもらおうと思ったら、NHKと民放各局が協力し、棲み分けるほうが合理的であることは目に見えている。

しかし、韓国ではそれをやらない。これによって誰がどういうメリットを享受しているというのか、理解不能だ。

まあ、日本に住んでいる人には関係ないことで、そのあほらしさは放っておけばいい・・・のだが、ただ一つ日本人にとって看過できないことがある。

オリンピックに限ったことではないが、日本が相手の「日韓戦」ともなると、韓国の人たちはすぐに頭に血が上り、日本を「宿敵」「宿命のライバル」と呼んで敵視し、たとえじゃんけんでも日本に負けてはならないと興奮する人たちである。

今回、東京五輪で日韓戦となった試合は、野球のトーナメント準決勝、卓球男子団体戦の3位決定戦、それにハンドボール女子の予選リーグ第3戦、それにバレーボール女子のグループリーグ予選などがある。このうち野球と卓球男子団体は、日本が勝ってそれぞれ金・銅メダルを獲得し、ハンドボール女子とバレーボール女子は韓国が勝ち、それぞれベスト8、ベスト4まで進出したが、いずれもメダル獲得は逃している。

このうち韓国で注目された、というか、韓国のテレビ局が同じ試合の映像を何度も何度も再放送したのはバレーボール女子の日韓戦だった。

この試合は、大会9日目7月31日夜に行われたものだが、その試合映像は、なぜかその後も連日、朝から晩まで一日何回も繰り返し放送された。大会最終日、閉幕式が行われた8月8日夜も地上波では3局とも閉幕式を中継する裏で、MBCとSBSのスポーツ専門チャンネルは、バレーボール女子の日韓戦を再放送していた。

一日24時間放送のスポーツ専門チャンネルなので、すべての番組をウォッチできたわけではないが、リモコンであちこちとチャンネルを変えて観察した結果、ほかに注目される競技のない時間帯やバレーボール女子韓国代表が勝ち進み次の試合に臨む前の時間帯には、3つのテレビ局とも必ずこの「日韓戦」が同時放送された。しかもKBSをはじめ3つ局のスポーツ専門チャンネルがいずれも同じような扱いだったため、バレーボール女子「日韓戦」の同じ試合をそれこそ一日何回も目にし、トータルで同じ試合の映像を何十回も繰り返し見せられたような感覚だった。

いくら「日韓戦」だといっても、同じ映像をこれほど何十回も見せられて、韓国の人たちが喜んでいるとしら、それこそ理解不能の狂気だというしかない。

この試合は、日本と韓国が互いに2セットずつ勝ち取ったあと、フルセットに持ち込まれ、最終セットも14対12と先に日本がセットカウントを迎えたあと、日本のサーブがネットにかかるなどして14対14で並び、そのあとも日本のアタックがアウトになったりブロックアウトが重なり韓国が2点先取してようやく勝てたという、きわどい大接戦を演じた試合だった。見方によっては、日本が一方的に韓国に負けたわけではなく、実力は五分五分、どちらが勝ってもおかしくない。日本の力も侮れないし、韓国の実力も大したことはないと思わせる試合だったのである。そんな試合を繰り返し繰り返し何度も見せ続けるテレビ局側の意図とは何であり、試合結果は分かり切っているのに、そうした映像を繰り返し見せつけられても、文句も言わずにそれを喜んでみている国民がいるとしたら、やはりこの国は日本が負け、苦しむ姿を見て、この上ない快感を感じるという「反日」で凝り固まった異常の国だということが分かる。

野球もバレーボール女子も3位決定戦まで進んでいずれも敗退しているが、バレーボール女子については「最後まであきらめずに良いプレーを見せてくれて感謝する」「ベスト4進出だけでありがたい」と好意的な声が多いのに対し、野球は敗戦投手や打撃不振のバッターに対し「反民族行為者」「民族反逆者」の声が上がった。

朝鮮日報08/08「東京五輪:同じ負けなのに野球とは違う…韓国女子バレー代表を励ます国民たち」


同じ結果なのに、バレーボール女子がここまで称賛され、野球がこれほどひどい言葉で非難されるのはどうしてなのか。それは朝鮮日報の記事がいうような選手たちの熱意とか意気込みなどというきれいごとではなく、バレーボール女子は「宿敵」日本に勝ち、野球は「宿命のライバル」の日本に惨敗したからである。

バレーボール女子の日韓戦は、閉会式翌日の9日午後にも、14日の深夜にもSBSやMBCなどのスポーツチャンネルは放送していた。おそらくこの日韓戦は、今後も永遠に繰り返し何度も放送されるに違いない。2012年ロンドン五輪サッカー男子の日韓戦で韓国が勝った試合が、今もことあるごとに放送されているように。これだけ毎日毎日、同じ「日韓戦」が何十回も何百回もほうそうされるということは、スポーツコンテンツそのものの魅力というより、「日本に勝って恨みを晴らす」という怨念か、「日本に勝つシーンを見ることで快感を得る」というねじ曲がった心理の発露としか思えない。

それにしても、IOCが著作権を持つオリンピックの競技映像がこのような使い方をされても許されるのだろうか。何年経っても自由に使えるなどということは考えられない。どういう契約内容になっているのか?

ところで、何が何でも「メダル、メダル」と騒ぎまくる韓国は、東京オリンピック開幕を前にして、金メダル7個以上、総合順位10位以内が国家目標だと宣言し、目標達成は十分可能だと自信を示していた。しかし結果は、金メダル6個、銀メダル4個、銅メダル10個で総合順位16位だった。金メダルの数では1984年のロサンゼルス大会以来もっとも少なく、総合順位で10位以内に入らなかったのは2000年のシドニー大会の12位以来初めてだという。金メダル6個でも大したものだと思うが、そのうち4つはアーチェリーで、うち3つは現代自動車がスポンサーとなっている20歳の女子大生1人の活躍に負うとことが多かった。

当初、メダル獲得が相次いだアーチェリーやフェンシングは、競技発祥の地・欧州諸国を差し置いて、傲慢にも韓国の「お家芸」「国技」だと自称するほどだった。

KBS日本語ニュース7/24「東京五輪2日目 韓国金1銅2 お家芸のアーチェリーなどで」

しかしその後は、期待した野球やサッカーで敗退が続き、ゴルフなど注目競技の成績も振るわず、目標を達成できなかった。野球や女子バレーなど3位決定戦で敗れ4位に甘んじることが多かったこともあり、中央日報(韓国経済新聞)の社説は悔しまぎれに「『きらびやかな4位』の行進は続いた」と称し、「メダルの色より競技そのものを満喫し、結果より過程に注目し、勝敗よりドラマに熱狂する雰囲気は私たちが今回の五輪で収めた貴重な収穫と評価される」とした。

韓国経済新聞社説8/6・「金メダルのような4位」一層成熟した五輪文化=韓国>


ウソをつけである。サッカーの試合中継で、相手のオウンゴールのミスを「ありがとう、マリン(ルーマニア選手名)」と字幕をつけ、負けた試合で10番の背番号を背負った中心選手が試合後に相手チームの選手から握手を求められても無礼に拒否するという考えられないようなテレビ局や選手をもつ国柄である。

東京オリンピックの各競技の場面を振り返って、感動的な場面は、勝者と敗者が互いに健闘を称え、相手をリスペクトしている姿を見せてくれたことだ。パンデミックという状況のなかで、世界のアスリートたちに活躍の場を提供してくれた日本と日本国民に対しては各国選手団、IOCをはじめスポーツ関係者からは心のこもった感謝の言葉が捧げられた。

一方で、韓国は最後の最後まで東京オリンピックを政治的に利用しようとして、日本と世界から激しい反発を受けた。選手村に掲げた反日スローガンやたれ幕をはじめ、福島や東北の被災地の復興を妨げようと「放射能フリー弁当」だとか「放射能汚染ブーケ」だといって様々な嫌がらせを行った。自分たちが勝手に作り上げた「戦犯旗」だという虚構をもとに、スポーツクライミングのボルダリングの壁の構造物が旭日旗の文様をかたどっていると妄想を繰り広げて非難した。最初に非難したのはKBSの解説者だが、そのKBSニュースは「海外メディアも一斉にこの課題を「RisingSun」、つまり旭日と呼び、論争となっています」と、そんな事実などどこにもないのに、フェークニュースを流した。大韓体育会は競技が行なわれている裏で、IOCに謀略を仕掛けて「旭日旗禁止」の確約を得たと発表したが、日本の組織委員会の武藤事務局長が直ちに否定する記者会見を開き、韓国側のウソはすぐにバレた。日本の伝統的な文化であり、北マケドニアの国旗にもなっている旭日の文様をIOCが勝手に否定できる訳がないのである。

KBS日本語ニュース8/9・韓国「IOCが旭日旗使用禁止の判断」 日本は「事実でない」


韓国は、20世紀初めまで多くの民衆が名前も持たず奴隷として売り買いの対象だった国である。そんな古代奴隷性国家の考え方や習慣から今も抜けきれない人たちが、近代理性に目覚め、オリンピックの精神を理解し、近代スポーツマンシップを身につけ、本当の近代国家へと生まれかわるまでには、まだまだ道は遠いというしかない。

富士の高嶺から見渡せば

大学で中国語を専攻して以来、半世紀にわたって中国・香港・台湾を見続け、朝鮮半島にも関心を持ち続けてきました。これらの国との関係は過去の歴史を含め、さまざまな虚構と誤解が含まれています。富士の高嶺から、雲海の下、わが日本と周辺の国々を見渡せば、その来し方・行く末は一目瞭然。霊峰富士のごとく毅然、敢然、超然として立てば、視界も全開、隣国を含めて同時代の諸相に深く熱く切り込めるかもしれません。

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