韓国よ、目の前にある性奴隷、徴用工問題を解決せよ

二つのニュースに注目したい。一つは、米ジョージア州アトランタ郊外のブルックヘイブン市の公園に、6月30日、慰安婦像が設置されたというニュース。ソウルの日本大使館前や釜山の総領事館前に設置された慰安婦像と同じもので、米国内の公有地に設置されたものとしては、カルフォルニア州グレンデール市に次いでこれが2つ目だという。

もう一つは、韓国済州(チェジュ)島の在済州日本総領事館前に、「強制徴用工」の像を今年10月に設置する計画だと、韓国の市民団体が7月20日、発表したというニュース。済州も加われば、在韓国の日本公館のすべてに国際条約に違反する像が置かれることになる。

二つの動きは、慰安婦問題をめぐって「最終的かつ不可逆的な解決」を約束したはずの「日韓合意」に明らかに反する行為であり、日韓合意を履行するつもりなどない文在寅政権に日本に対する姿勢を象徴している。

ところで、ブルックヘイブン市に設置された慰安婦像だが、産経新聞の現地からの報道によると、鳴り物入りお祭り騒ぎで行われた除幕式から5日後、市はこの像を市内の別の公園に移設する計画だと発表した。像の設置は、公園周辺の住民には事前に知らせておらず、公園の政治利用に周辺住民が猛反発したのが原因といわれる。もともとこの慰安婦像の設置は、アトランタの韓国系団体が3年前から準備を進め、今年(2017年)2月にはアトランタ中心部の「公民権・人権センター」敷地内への設置計画を発表していた。しかし日系市民団体や日本総領事館が強く抗議したこともあって、翌月にはセンター側が設置を許可しない方針を決定。これを受けて、韓国系団体はジョージア州内のあちこちの自治体に働きかけを行ったところ、ブルックヘイブン市にたまたま韓国系の市議会議員が1人いて、この議員が市議会に像の設置を提案したところ、今年5月に、すんなりと決まったのだという。

慰安婦問題に取り組む日本の女性団体「なでしこアクション」のTwitterによると、ウェブニュースNEWSWIREには像が設置された6月30日に「The ComfortWoman Statue and North Korea(慰安婦像と北朝鮮)」というタイトルの記事が掲載された。そのなかで、北朝鮮を旅行中、拘束されたアメリカ人学生オットー・ウォームビアさんが拘束中に脳に障害を起し、意識不明のまま帰国して、帰国直後に死亡した事件の記憶がまだ新しいなかで、韓国系団体による像設置の運動や反日キャンペーンは、北朝鮮に何らかの利益をもたらす疑いもあるとし、ブルックヘイブン市はこの韓国系団体とその背後にいる北朝鮮との関係を慎重に判断する必要がある」と訴えている。

別のニュースサイトbeforeitsnewsの「Korean People’s Political Propaganda against the United States(韓国朝鮮人の米国に対する政治宣伝)」と題した記事では、「慰安婦像は今や政治的な道具(ツール)であり、在米韓国人たちは「慰安婦」というカードを使って米国内で反日キャンペーンを繰り広げている」と指摘し、大きな韓国人コミュニティーがあるわけでもなく、本来、慰安婦問題とは何の関係もないブルックヘイブン市になぜ慰安婦像を設置しなければならないのかと疑問を投げかけている。

さらにこの問題はなぜか、ブルックヘイブン市内に実在するストリップクラブの問題にまで飛び火し、慰安婦像の設置は、それこそ女性を強制労働させている疑いもあるストリッピクラブの存続を許している、ブルックヘイブン市の不名誉を隠蔽するためのものではないか、という見方を示し、このストリップクラブと韓国系団体が何らかの関係を持っているという噂にも言及している。

なんとなく日本のワイドショー番組のノリに近いと感じる向きもないではないが、しかし慰安婦問題について、俯瞰した立場から一歩引いて報道するアメリカのメディアが出てくるようになったのは、ここ数年の傾向だという。

さらに米国メディアが慰安婦問題を取り上げると、それに対するネットユーザーの反応のなかで「そもそも慰安婦とは何か」として客観的な証拠、信頼できる歴史資料として持ち出されるようになったのが、米国戦争情報局心理戦チームが1944年にビルマで行った朝鮮人「慰安婦」に対する尋問調査であるというのは、われわれ日本人にとっては好ましいことだと思う。

そこでは「慰安婦」について、「A “comfort girl” is nothing more than a prostitute or “professional camp follower” attached to the Japanese Army for the benefit of the soldiers.(「慰安婦少女」は売春婦もしくは日本軍に付き随い兵士に奉仕する職業的キャンプ追随者)と明確に定義している。そして、彼女らの待遇や高額な給与、酔っ払った兵などを拒否することもできた自由、さまざまな買い物や兵士らとのスポーツや宴会に興じるといった休日の過ごし方、果ては敗戦後、日本軍兵士から求婚が相次ぎ、それに応じる者も確かにいたなどの記述からは、これが何で「性奴隷」なのか、という正直な感想しか生まれない。以下のサイトで全文が閲覧できるので実際に確かめていただきたい。http://www.exordio.com/1939-1945/codex/Documentos/report-49-USA-orig.html

ところで、祖国韓国を嫌い、祖国を裏切って米国に移住したはずの在米コリアンたちが、米国とは直接的には何の関係もない「慰安婦」問題を政治的に利用し、「慰安婦」像を米国内のあちこちに設置しようとする運動に血道をあげるのは、米国メディアのみならず誰がみても不可解きわまりないが、それよりも、もっと不可解、理不尽なのは彼らが今直ちに取り組むべき問題、同胞が抱えている現実の課題に目を背けていることである。

それは北朝鮮を脱出した女性が、中国国内で人身売買の対象にされ、それこそ今まさに「性奴隷」という境遇に置かれ、救出を求めているという現実。さらには、北朝鮮の同胞がロシアや東欧、アフリカに労働者として強制的に送り込まれ、外貨獲得の手段として独裁者金正恩によって搾取されているという問題のことだ。

在米韓国人のみならず、慰安婦問題を韓国で取り仕切る「挺対協」、さらには北朝鮮に融和的な姿勢を示す文在寅政権は、この現実にある「性奴隷」「強制労働者」の問題にどう対処する方針なのか。日本人の立場で言えば「慰安婦」問題はおととしの日韓合意で「最終的・不可逆的に解決」している。この問題での再交渉はありえない。70年以上も前の、生存者もほとんどいない過去の問題に拘泥するより、現実にいま目の前に存在する課題に、民族として真剣に取り組むほうが先だろう。

富士の高嶺から見渡せば

大学で中国語を専攻して以来、半世紀にわたって中国・香港・台湾を見続け、朝鮮半島にも関心を持ち続けてきました。これらの国との関係は過去の歴史を含め、さまざまな虚構と誤解が含まれています。富士の高嶺から、雲海の下、わが日本と周辺の国々を見渡せば、その来し方・行く末は一目瞭然。霊峰富士のごとく毅然、敢然、超然として立てば、視界も全開、隣国を含めて同時代の諸相に深く熱く切り込めるかもしれません。

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