G7サミット夕食会に福島の日本酒の提供は何故ダメのか?

「露骨で不器用な日本式広報戦略」だと?

G7広島サミットで各国首脳が集まる夕食会に、福島の日本酒が供されたことについて、韓国の大手メディア『朝鮮日報』の成好哲(ソン・ホチョル)東京支局長は、「G7夕食会に出された福島の酒…露骨で不器用な日本式の広報戦略」と題するコラムを22日付の日本語版ウェブページに掲載した。

このコラム記事がいう「露骨で不器用な日本式広報戦略」とは何かというと、「夕食会の食事メニューには、12年前の原発事故で放射能危機論が絶えない福島産の日本酒があった」ことだという。「放射能危機論が絶えない福島産の日本酒」などという話は、日本では聞いたこともなく、朝鮮日報東京支局長が捏造したフェーク、与太話もいいところだが、G7の夕食会に出された日本酒として名指しされたのは、創業130年の福島の酒造メーカー松崎酒造の純米酒「廣戸川」のことである。コラムを書いた成(ソン)支局長は、放射能汚染に関する何の根拠・データも示すこともなく、松崎酒造の純米酒「廣戸川」が、あたかも危険な飲み物であるかのように書いている。これは明らかに、松崎酒造に対する営業妨害であり、名誉毀損として刑事告訴に値する横暴な行為ではないか。松崎酒造と福島県、それに日本政府は、朝鮮日報に対して厳正な抗議を行い、刑事処分を請求すべきだと思う。

福島の食材は永遠に輸入禁止の対象

福島産のお米や水を使って作られた日本酒だから、「放射能まみれで危険だ」という発想は、福島の風評被害を拡大し永続化させるための韓国人特有の勝手な論理でしかない。何と言っても韓国は、東日本大震災以降、東日本8県の農畜産品・水産物の輸入を禁止し、何の科学的根拠もないまま、恐怖心だけを煽り立て、輸入禁止を永続化させようと必死になっている。

しかし、福島で採取された農畜産物、水産物は、野生の山菜や川魚に至るまで全量放射線測定が行われ、その結果は厚生労働省のホームページに公表されている。そして放射線が基準を超えて測定された農水産物、畜産物については、市場に出回ったり、流通ルートに乗ることのないように厳しい検査・管理態勢が採られている。

朝鮮日報の成(ソン)支局長は、「日本人たちも福島産食材を渋っているのが現実だ。東京のある知人は『周りで福島産の米を購入して食べている人を見たことがない』と言った」と書いているが、現実には日本人の多くは放射能検査のデータを信頼し、福島産だからと言って拒否することなく、福島産の食材を日常的にごく普通に買って食べている。

福島の日本酒は9年連続日本一に輝いた名品

まして、福島の日本酒と言えば、日本全国の酒蔵が日本酒のできを競う全国新酒鑑評会で金賞を受賞した酒蔵の数が、東日本大震災と原発事故が発生した2年後の2013年から、新型コロナの影響で最終審査が中止された3年前をはさんで、去年まで9回連続で都道府県別で日本一に輝いたまさに「日本酒王国」であり、福島の日本酒の優れた品質、福島銘柄のおいしさは日本人の多くが知っている。

韓国人には申し訳ないが、福島産の食材を食べたり日本酒を飲んだりして、癌になったり、身体に異常をきたしたという話は皆無だ、というのは否定できないファクト、動かしがたい客観的な事実である。

朝鮮日報東京特派員の成(ソン)支局長が書いたコラムでは「G7広島サミットを取材する記者たちが集まった国際メディアセンターでは福島産の加工食品が提供された。福島産の桃で作ったジュース、福島でくみ上げた天然炭酸水、福島産の日本酒やようかんなどだ」とした上で、「2年前にも似たようなことがあった。2021年の東京オリンピック時、福島産の食材の安全性PRを目的に、海外の選手たちが利用する選手村の食堂に福島産の食材を供給したのだ。(略)重要な大会を控えている選手たちの不安を膨らませる必要はなかった」と主張する。

そして「日本には『迷惑』を極めて嫌う文化がある。『人に迷惑をかけてはいけない』と小さいころから教えられ、このような風潮を誇りに思っている。しかし、日本を訪れた重要な客人に日本人も渋る食べ物を出してもてなすのは典型的な迷惑ではないのだろうか」と綴る。

放射能汚染を恐れるなら日本に来るな

「福島の食材は放射能に汚染されている」という一方的な思い込みで「迷惑」だとまで断定するのであれば、放射能に汚染されているという科学的な根拠を明確に示すべきだろう。そうでなければフェークニュースのそしりを免れない。

そもそも、日本に押しかけて日本料理に舌鼓を打つ大量の韓国人旅行者や、日本に暮らして日本の食材に頼るしかない在日朝鮮・韓国人の同胞に対しても、福島の食材や日本の料理を食べるなと正々堂々と主張できる根拠が、朝鮮日報東京支局長にはあるのか?福島や日本の食材が危険であり、その根拠があるというのなら、ぜひそれを提示していただき、韓国人旅行者が日本に来ることがないように説得してほしい。

富士の高嶺から見渡せば

大学で中国語を専攻して以来、半世紀にわたって中国・香港・台湾を見続け、朝鮮半島にも関心を持ち続けてきました。これらの国との関係は過去の歴史を含め、さまざまな虚構と誤解が含まれています。富士の高嶺から、雲海の下、わが日本と周辺の国々を見渡せば、その来し方・行く末は一目瞭然。霊峰富士のごとく毅然、敢然、超然として立てば、視界も全開、隣国を含めて同時代の諸相に深く熱く切り込めるかもしれません。

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