「私も家族も不正腐敗は犯したことがない」という裁判被告
韓国大統領選挙で当選確実とみられる有力野党候補・李在明(イ・ジェミョン)氏は5月25日の記者懇談会で、「私も私の家族も不正・腐敗の過ちは犯したことがない」("나도 우리 가족도 부정부패를 저지르지 않는다")と主張し、「平生(普段から)、業者たちと私的に会ったこともなく、お茶一杯おごってもらったこともない」("평생 업자들을 사적으로 만나 본 적도 없고 차 한 잔 얻어먹은 적도 없다")と豪語した。(以下、敬称略)
23日、ソウル汝矣島(ヨイド)のKBSスタジオで開かれた第2回テレビ討論会で、対立候補の「国民の力」金文洙(キム·ムンス)候補から、李在明の京畿道知事時代に夫人が「法人カード」を不正に使用し、寿司や焼肉などの食品や日本製高級シャンプーなど日常雑貨を購入していた問題について厳しい追及を受けたのに対する反論だった。
テレビ討論会で、金候補は「(李在明の)京畿道(キョンギド)知事、城南(ソンナム)市長の時の法人カードの内訳を見れば、かなりの一般人は怒るしかない」と攻撃し、「上の水が澄んでこそ下の水も澄むことになる。このように濁った不正腐敗のやり方で、どうやって我々の公職を維持できるのか」と追及した。
この法人カード不正使用事件では、これまでに京畿道知事時代の李在明の複数の側近が起訴されて有罪判決を受けたほか、夫人(キム・ヘギョン)に対する裁判でも一審・二審で罰金150万ウォンの有罪判決が言い渡されている。それにも関わらず李在明は、テレビ討論会では「金候補が所属する(与党国民の力の)政権が何の証拠もなく、言論操作をしながらむやみにねつ造・起訴した」とし「具体的な証拠があるなら見せてくれ。私はそのように使ったことはない」と反論した。金候補から「それではなぜ裁判を受けるのか。なぜ有罪が出るのか」と攻撃されると、李在明は「私が有罪を受けたのか」と言い返して逃げの姿勢を見せるだけだった。
<ニューデイリー・5月27日「이재명 "증거 대봐라" → "나도 가족도 부정부패 저지르지 않는다"(李在明「証拠を見せよ」→「私も家族も不正腐敗はしない」)>
「病的な嘘つき」大統領が作る「カルト国家」
このテレビ討論会と記者会見での李在明の発言を見て、ソウル大医学部で精神医学を学び、医学博士でもある安哲秀(アン・チョルス)「国民の力」議員は、学生時代に習った「病的な嘘つき」(パソロジカル・ライヤーpathological Liar)という言葉を思い出したとして、次のように語っている。
<李在明は記者会見で「私も私の家族も不正腐敗を犯していない」と言明したが、彼には12の容疑がかけられ、5つの裁判を受けているほか、妻の法人カード不正使用(二審でも有罪罰金刑、括弧内は筆者補注、以下同じ)、息子の違法賭博事件(李在明はかつてこの事件を認め謝罪している)などがあり、これら全てが不正や腐敗ではないと明らかな虚偽の主張をしている。(略)
一般的な嘘つきは自分が嘘をついていると自覚しながら嘘をつくが、「病的な嘘つき」は嘘をつきながらも自分が本当のことを言っていると信じている。こうした人物が国家指導者になれば、国家に致命的な打撃を与える。実際に起こっていないことを本当だと信じて物事を進めれば、その仕事はうまくいくはずがない。有力な大統領候補の最大の欠格事項となりうるため非常に憂慮すべきことだ。
もし李在明が大統領になれば、国家の権力と大統領の権力を同時に掌握し、自分の犯罪行為を消し去る手段を確保することになる。「病的な嘘」を事実にしてしまう権力を手に入れるからだ。仮に「大統領李在明」が自分も家族も不正や腐敗を一切犯さない完全に清廉で道徳的な人物だと主張すれば、法律を改正し、司法を圧迫することで、12の容疑と5つの裁判から無罪の結論を引き出すこともできる。最高裁差し戻し判決により事実上有罪が確定した公職選挙法違反事件も無罪に変えるだろう。
妻キム・ヘギョンの法人カード不正使用事件は当然無罪、息子の違法賭博事件もすべて歪曲や誤解として片付けられ、きれいに処理されるだろう。その結果、完璧な「無欠点ファミリー」が誕生する。病的な嘘つきの主張が事実になってしまうのだ。しかし、本当に恐ろしいのは李在明の言葉が単なる空言ではなく、現実になる可能性があることだ。彼が大統領になれば、やりたいことをやり、成したいことを成せる。法律を変え、検事を懐柔し、判事を圧迫すれば、結局、彼とその家族は完全無垢となる。
「イ・ジェミョンは本当にやる」というスローガンの通り、彼はそうするだろう。李在明が権力を握れば、立法、司法、行政の全てが李在明を神聖視する新たなカルト的宗教国家、「イ・ジェミョン王国」が誕生するだろう。
大統領が不正と腐敗の象徴になれば、公務員社会はどうなるか?法人カードは基本所得、請託はオプション、採用不正は日常となり、韓国は一瞬にして70年前に後退してしまうだろう。>(引用終わり)
<なぜなぜ韓国5月27日「李在明:“私も家族も不正腐敗を犯していない”」>
われわれの隣の国にすさまじい「カルト国家」、「病的な嘘つき国家」が誕生するということだ。
「倭寇に盗まれた仏像」だと嘘の主張をする韓国仏教界
ところで話は変わるが、長崎・対馬の観音寺から韓国の盗賊団によって盗まれた仏像が13年ぶりようやく戻ってきた。この仏像について韓国側で所有権を主張した浮石寺(プソクサ)という寺は、そもそも仏像の存在自体を知らず、仏像の内部に収められていた「結縁文」という文書のなかに「高麗国瑞州浮石寺」「天暦三年(西暦1330年)」などの記述があったことを初めて知ったのちに、本来は自分の寺にあった銅像だと主張し始めた。しかも、こともあろうに何の証拠もなく、倭寇によって600年前に盗まれたものだと言いがかりをつけたのである。
しかし、浮石寺自身は、儒教を重んじ仏教を排斥した李氏朝鮮王朝の仏教弾圧によって600年前の15世紀初頭にはすでに廃寺となり存在しない寺院だった。なぜなら、朝鮮王朝、第3代太宗による1407年の仏教弾圧の際に存続が許された88寺院や、その後、第4代世宗大王による1424年の仏教弾圧の際に存続が許された36寺院の中にも、浮石寺の名前はなかったからだ。
ハングルを創製したことで知られる世宗大王は、韓国では文化にも造詣が深い名君とされるが、実際には仏教弾圧を始め、民衆の奴隷化政策や中国皇帝に女性を献上する「貢女」外交など、権力を恣(ほしいまま)に悪政を行った独裁者だった。その仏教弾圧たるや、すさまじいものがあり、高麗時代に何千もあった寺院をわずか36までに削減し、仏像や鐘楼などを悉(ことごと)く破壊して兵器に変え、僧侶を都城内から追放して出入り禁止にしたほか、寺の使用人をすべて奴隷にした。浮石寺の仏像も、こうした仏教弾圧の嵐の中で、鉄くずとして破壊され、溶かされる前に、寺の僧侶や信者によって外に運び出され、それが対馬に届くことによって、初めて安住の地を得て保護されたものだった。
(仏教弾圧の経緯について詳しくは、当ブログの過去記事2023.02.06「盗品仏像の帰属問題、韓国は寺院や仏像を破壊した過去を忘れたのか」を参照して欲しい)
産経新聞によると、対馬には、新羅、高麗時代の朝鮮半島で制作され、李氏朝鮮王朝の弾圧を逃れた仏像が数十点も安置され、信心深い対馬の島民たちの手で大切に守られてきた。対馬・観音寺の田中節孝・前住職は、中には焦げた仏像も多く、「仏教弾圧により焼かれた寺から、持ち出されたものだと考えられる。それを日本人が略奪したというのは、あまりにも失礼だ。韓国人から感謝されることはあっても、『略奪』呼ばわりするとは、怒りを通り越して空いた口がふさがらない…」と憤る。そして、韓国の裁判所が浮石寺の所有権を認める決定をしたことについても、「常識が通用しない国なんだと再認識した。盗み出して、そのまま自分の物だと主張するへ理屈は、北朝鮮による日本人拉致事件と同じですよ」とあきれ顔だったという。
<産経新聞 2013年2月28日「韓国人に感謝されても…」長崎・対馬の仏像返還差し止め問題で観音寺・前住職>
要するに、自分が発した「嘘」にがんじがらめとなり、自ら信じて疑わなくなる「病的な嘘つき」症候群の典型例ということになる。
強盗団を独立義兵軍と崇めてきた韓国国史編さん委員会
ついでに「病的な嘘つき」の事例をもう一つ。
ソウル市西大門(ソデムン)区にある日本統治時代のあの“悪名高い”「西大門刑務所」近くの西大門独立公園に「殉国先烈追念塔」と名付けられた高さ22mの塔とはば40mのレリーフがある。塔は1992年の8・15光復節に、ソウル市が設置し、毎年11月17日の「殉国先烈の日」には、ここで記念式典が開かれる。
塔の後ろにある大型の花こう岩のレリーフには「独立闘争の歴史」を伝えるとして八つの場面が彫刻されている。ところが、これらレリーフのうちの一つ「独立軍義兵殉国先烈処刑像」は、独立闘争とも義兵とも何の関係もなく、大韓帝国時代に「常習窃盗」や「集団強盗」をはたらき庶民を苦しめた「強力犯」が絞首刑とされる「処刑場面」が描かれていることがわかった。
この事実を伝えた朝鮮日報(2024年9月22日付)によると、「韓国の学界や政界が正確な史料検証もなしに独立運動史を記録してきた慣行のせいだ」とし、「塔が設置された1992年以来32年間、韓国の市民は、民衆を恐怖の中へ追いやった雑犯たちを追悼し、その犯罪行脚をたたえてきた可能性が高い」という。
なぜ雑犯の処刑場面とわかるかというと、日本統治時代に「韓国風俗:罪人の絞殺」と題して市中でみやげ用として売られていた「写真はがき」と構図も人物像も一緒だった。この写真が撮影されたのは、1904年1月2日から1905年10月26日までの間で、それは写真に写る人々が着ている白い服と白笠からわかるという。その期間は、大韓帝国皇帝の母・皇太后が亡くなって国喪の期間に指定され、国民は全員、白衣と白笠の着用が義務付けられていたからだ。そして、この写真に写る窃盗犯・強盗犯12人の集団処刑が執行されたことを報告する1904年3月15日付の「司法稟報」という公文書の記録も残っている。つまり、この処刑場面は日本軍も日本の植民地統治もまったく関係のない時代のものなのに、朝鮮人民を弾圧する日本統治の残虐性を示す材料として悪用されてきたのである。
前述の朝鮮日報の記事によると「この面々を義兵だと断定したソウル市や、解放後これまで疑いなしに義兵だと主張してきた韓国の国史学界には、真実が何であるかを調べる義務がある。解放後、この写真を「日本軍による義兵処刑場面」だと最初に主張した国家機関は、『国史編さん委員会』(国編委)だった。国編委は1966年12月、単行本『韓国独立運動史2』にこの写真を載せて「1919年3月、市街で虐殺される万歳示威者」と説明した。写真の中に見える白笠姿の群集を見れば、1919年の万歳運動とは無関係な写真だとわかるにもかかわらず、国編委は検証もなしに『三・一運動の犠牲者』と決め付けた。」
<朝鮮日報2024年9月22日「義兵なのか、盗賊団なのか…ソウル西大門殉国先烈追念塔「義兵処刑像」に描かれた義兵の実像に迫る」>
永遠の記録として残るモニュメントに間違った歴史が刻まれているとわかれば、直ちに訂正するのが普通の感覚だが、歴史を正確に記録する国家機関であるはずの「国史編さん委員会」がそれをしないということは、「国史編さん委員会」という国家機関も完全に「病的な嘘つき」症候群に嵌まっている証拠でもある。
ほかにも『徴用工」を象徴する像として各地に立つ、痩せこけた裸の男の像は、北海道の明治開拓時代の道路整備の”日本人”労働者を写した写真がモデルだったなど、日本統治時代の歴史についての韓国側の言説や解釈に、そうした「病的な嘘つき」の事例は枚挙にいとまがない。日本に対してはどんな嘘をついても許されるという体質がすでに身に染みついているとも言える。
はてさて、そうした「病的な嘘つき」が蔓延(はびこ)る韓国社会で、極めつきの「病的な嘘つき」を大統領に選ぶ選挙がまもなく行われる。米国の選挙監視団がすでに韓国に到着し、選挙プロセスに監視の目を光らせているそうだから、そちらの動きにも期待したい。
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