いわば当然すぎる結論で、誰が考えてもこれしかありえないという判断が示された。12日日本時間18時、ハーグの仲裁裁判所が出した裁定文書は500ページもの厚さがあったという。
裁定では、中国が管轄権を有すると主張する「九段線」の内側の海域や資源について、「中国が歴史上、排他的に支配してきた証拠はない」とし、九段線内の権益をめぐる「歴史的権利」という主張に「法的根拠はない」と判断した。また裁定では、中国が人工島を造成し実効支配しているスプラトリー諸島の岩礁7つについて、すべて「島」ではなく、ガベン礁など4つは200カイリの排他的経済水域(EEZ)を伴わない「岩」であり、ミスチーフ礁など3つは高潮時には水没して12カイリの領海も発生しない「低潮高地」だと認定した。さらに、フィリピンのEEZ内での同国漁船の妨害や人工島造成などにより、中国がフィリピンの主権を侵害していると判断。中国による埋め立てが「サンゴ礁の生態系に恒久的かつ取り返しのつかない損害を与えた」とし、国連海洋法条約に対する中国の義務違反を認定した。この裁定は最終的なものであり、2度と覆すことはできない。国際社会は、この裁定を材料に永久的に中国の違法行為を非難し、告発し続けることができる。
こうした結論になることは、このブログでも一貫して論述してきたことであり、誰でも分かるこんな簡単な道理を、中国の指導者らは、自分たちの利害に合わないという理由だけで、はじめから裁定の効力を否定し、一方的に無視すると宣言してきた。そうした態度はバカのひとつ覚えで駄々をこねるだけの、つまり彼らの「幼児性」を際立たせるだけであり、国民を愚弄している証拠でもある。さあ、習近平は、国民にどう示しをつけるのか。根拠も証拠もないことは誰が見ても明らかであったにも関わらず、自分たちこそが正しい、必ず勝つと強弁し続け、国民を欺き続けてきたわけだが、その彼らの正当性が、国際司法手続きという万人の目の前で否定されたことが、白日にもとに晒されたのである。国連海洋法条約の締約国であり、しかも国連常任理事国である大国が、違法行為を継続し、法的拘束力を否定しつづけて、本当にいいのだろうか。われわれとしては、この問題は今後も、しつこくどこまでも追求し続けるだけで、これからが本当に楽しみだ。
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