姜昌一「新韓国大使」の許すべからざる言動

こんな人間を、一国の代表として受け入れなければならないとしたら、我が国の恥辱以外の何ものでもない。文在寅が新しい駐日大使として送り出してきた姜昌一(カンチャンイル)のことである。

「日本の尊厳と国益を護る会」代表の青山繁晴参議院議員はアグレマンの取り消しを要求すべきだとも言及している。

以下は、Youtube<【ぼくらの国会・第102回】青山繁晴×有村治子「韓国の駐日大使アグレマン(承認)問題」>を参考にまとめる。


過去に姜昌一がどんな発言、言動を行なってきたか、自民党の有村治子議員の要請で外務省がまとめた資料がある。

それによると、2011年3月の東日本大震災からまもない5月、ロシアのビザで北方領土国後島を訪れ、「北方領土はロシアの領土。国後島に対するロシアの『実効支配』を確認できた」(2011年5月)とぶちまけた。

当時、日本は震災後の塗炭の苦しみにあえぎ、悲嘆に暮れていた。アメリカ軍は太平洋沖に空母を出動させ、放射能汚染の危機もあるなか「トモダチ作戦」で懸命に救助活動、支援活動を行なってくれた。台湾では、幼い小学生がポケットからなけなしのお小遣いを差し出してくれるなど、台湾人総出で寄付集めを行なってくれ、巨額の義援金を送ってくれた。そうしたなかで、韓国の国会議員として、塗炭の苦しみにある日本を横目に、あえてこの時期を狙って、不法占領しているロシア側の承認を得て、日本の領土である北方領土を訪問し、「ここはロシア領だ」と公言し、日本国民を愚弄し、嘲笑し、悲嘆に暮れる日本人の傷口に塩を塗るような行為を平気でやったのである。

日本への大使赴任が決まったあとの去年12月、報道陣からこの発言について問われ、「ロシアに奪われ、占有されたという趣旨で述べたが、うまく伝わらなかった」(2020年12月)といけしゃあしゃあと答えている。ぬけぬけと弁解したつもりだろうが、けっして本心ではなく、嘘を言っていることは明々白々。こんな良心も誠実さもひとかけらもない人間を一国を代表する人間として、迎えなければならないとしたら、日本はあまりにも馬鹿にされ、愚弄されている。

天皇陛下に対する呼称問題でも、「公式の外交上の名称としては天皇というべきだろう。でも韓国では日王と言おう」(2019年10月)といった発言を繰り返すなど、彼は韓国内で「日王」という呼称を使うよう呼びかける中心人物だった。

ところが、大使に決まった途端、「(駐日)大使に赴任すれば天皇と呼ばなければならない。国家議員ではなく政府の一員になれば公式の呼称を使わなければならない。(韓国)政府がそのように求めた」(2020年12月)と発言。1月22日、日本に到着したその日、成田空港で記者団に対し、「天皇陛下に信任状を提出しなければならない」と発言し、自ら敬称まで使った。そのあまりの豹変ぶりに韓国マスコミも「一夜にしての急変」と、あきれかえるほどだった。

朝鮮日報1月25日社説「竹槍歌政権の駐日大使、「天皇陛下」と言いながら「前政権のせい」

天皇陛下に関しては、文喜相前国会議長が慰安婦問題で天皇陛下の謝罪を求めた際、姜昌一はメディアのインタビューに答え「文議長の発言は天皇に元慰安婦を慰問して欲しいという趣旨だった。天皇は日本の象徴、韓国人は戦争の主犯が天皇だと思っている」(2019年2月)と言っている。この発言についても大使就任が決まったあと、「文議長の考えを説明しただけだ。日本における天皇の存在、役割について無知な発言だったと考えている」(2020年12月)と弁解している。

姜昌一は東京大学に留学し、東洋史で博士号をとったそうだが、東大で勉強し博士号まで持っているという割には、日本の事情や国民感情に余りにも無頓着で、日本の歴史についてもあまりに無知だ。文在寅は、そんな学歴だけに目をとられ、韓国政界一の「知日派」として、大使に指名したのだろうが、実際は「知日派」でも何でもないことをさらけ出している。来日後、朝日新聞や毎日新聞が行なったインタビュー記事によれば、日本留学時代は酒を呑んでいただけのようだ。

さらに慰安婦問題でもとんでもない妄言を繰り返している。

2015年12月の日韓慰安婦合意について、「(合意は)国家を拘束する条約や協定ではなく、安倍政権と朴槿恵政権の約束にすぎない」(2016年9月)と言ってのけたのだ。

慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的解決」を謳い、日本が10億円の資金を出した日韓慰安婦合意は、外交当局同士が交渉を重ね、安倍総理と朴槿恵大統領という国家のトップ同士が合意した、間違いのない国家間約束であり、アメリカのバイデン大統領が当時、副大統領として後見人役を果たし、当時の国連事務総長潘基文も歓迎を表明した国際的な取り決めでもある。

民主的な選挙で選ばれ、主権者から付託され、国家を背負うというトップとしての重い責任を引き受けた総理と大統領が決断し、合意し、外相同士が国際社会に向けて公表した国際合意である。それを文在寅政権と姜昌一は「安倍政権と朴槿恵政権の約束に過ぎない」「政権同士の合意であって国家を拘束するものではない」と言い放ったのである。

「民主主義とは何か、国際法とは何か」という理解も認識もなく、国家間を縛る約束を軽視して、いとも簡単に投げ捨てて、この程度の外交感覚、外交に対する意識しかない人間を「大使」だといって日本に送ってきたのである。軽蔑のまなざしを送ることはあっても、顔をつきあわせてまともに話をしようなどとは決して思わない最低レベルの人間なのだ。

ところで文在寅政権は、日本から10億円の金を受け取り、生存していた慰安婦の70%以上に見舞金を手渡していたにも関わらず、慰安婦合意は「前政権の積弊」だとして、実質的な無効を宣言して、国家間の合意を一方的に否定し、「癒し・和解財団」を解散させた。ところが、国家主権を無視して外国政府を被告台に立て、賠償金の支払いを命じたソウル地裁の判決(1月8日)については、文在寅は記者会見(1月18日)で「正直に言って、困惑している」と言い、日韓慰安婦合意についても「政府はこの合意が両国政府間の公式な合意だったことを認める」と発言した。よくも今さら、恥も外聞もなく、こんなことが言えたものだ。開いた口がふさがらないとはこのことだ。この発言に対しては、早速、慰安婦支援団体からは「裏切り」だという怨嗟の声が上がっている。

姜昌一は、元慰安婦に対し「いつか“日本国王”(日王)や首相が来てひざまずいて謝罪するでしょう」(2016年10月)と発言したことがある。いかなる根拠があっての発言かは分らない。また、今回の慰安婦裁判の判決についても「判決が持つ意味は非常に大きい。この判決で韓日関係の正常化はさらに困難になるかもしれないが、こうした問題を含め、政治的に解決していく智慧が必要だ」(2021年1月)と言っている。薄っぺらい知識と浅はかな認識しかない人間の「智慧」など、聞きたくもない。

彼の歴史認識にも関わる問題だが、2020年8月、「親日派破墓法」を議員立法として提案したことがあった。その際、姜昌一は「国立墓地に仇敵(親日派)がいるため、有功者、愛国烈士たちがあの世に行って落ち着くことができない。銅雀(トンジャク)墓地(国立ソウル顕忠院)や大田(テジョン)墓地(国立大田顕忠院)にさまよっているのではないか。皆さんが亡くなった後に仇敵が隣で鬼神(幽霊)になって漂っているとすれば、そこにいられるだろうか」(2020年8月)と言っていた。

「親日派という鬼神(幽霊)がいる国立墓地では、愛国烈士もあの世で安らかに眠れない」と公言したのである。この前の7月、朝鮮戦争の英雄・白善燁(ペク・ソンオプ)将軍が死去し、その遺骨の埋葬が問題になったとき、「親日派の墓は国立墓地から掘り出すべきだ」と主張して、立法措置を推し進めた中心人物が姜昌一だった。

当ブログでもその間の事情を<「国立墓地から親日派を排除せよ」韓国は古代迷信国家?」20年8月>として取り上げている。

白善燁将軍は、朝鮮戦争で、北朝鮮軍によって釜山まで追い詰められた韓国軍を反撃に転じさせ、局面を打開する上で大きな役割を果たした功労者だが、戦前は、満州国軍官学校で学び、満州国軍の関島特設隊で抗日ゲリラの掃討作戦に参加したため、左派系の人々からは、多数の同胞や中国人を殺した「親日派」だと名指しされていた。しかし、戦後も韓国の発展に貢献し、日本人からも尊敬と信頼を集めていた。

ここまで親日派を侮蔑し、嫌悪感を煽ってきた姜昌一のような人物が、韓国国民を代表して、日本と友好国になろうと思っている、などと言っても誰が信じることができるだろうか。

日本が2019年7月、韓国向けの半導体素材などの輸出管理を強化し、韓国を貿易優遇国ホワイト国から外した際、韓国は日韓軍事情報包括保護協定GSOMIAを破棄すると通告してきた。この問題について姜昌一は「(日本の輸出管理措置を受け)このような状況になれば(GSOMIA破棄を)当然検討するしかない。日本は論理的矛盾を犯している。敵対的関係なのにどうしてわれわれが軍事情報包括保護協定を結べるだろうか」(2019年8月)。「GSOMIAの終了延期問題と日本の輸出規制問題を同時に解決し強制徴用問題について交渉テーブルについて話し合うべきだと思う」(2020年11月)などと発言していた。

要するに、韓国政界でGSOMIA破棄をリードしてきたのが姜昌一であり、これらの発言からは、日本を敵対視していることは明らかだった。本来、敵対視すべきは北朝鮮であり、日米韓が力を合わせて北朝鮮に立ち向かうためのGSOMIAだったはずである。そうした国際政治の現実を冷静に見つめ、冷徹に分析し語ることもできない人物が、国会議員を名乗り、しかも韓日議員連盟会長だったのである。

お互いの国益を冷静冷徹に考えたら離反してばかりはいられないとそろそろ考えるべきときで、韓国も真剣に国益を考えたら、反日していれば気分がいい、というだけでは済まなくなると気がつくはずだ。。

ところで、今回、姜昌一の駐日大使への人事は、日本がアグレマン(政府同意)を出す前の去年11月に韓国側は発表していた。外務省は「国際慣習上、派遣国は接受国側のアグレマンを得た上で公表するのが一般原則だ」として韓国に抗議している。ウィーン条約という、国際儀礼・規範として世界各国が護っている条約の精神を、韓国は逸脱し日本の主権を無視したのである。こうした行為は、国際規範に反していることを、ことあるごとに指摘するだけでなく、2国間で主張しても、これまでは、いとも簡単にゴールポストを動かされ続けてきたので、多国間の枠組みのなかで国際規範を強調し、国際社会のなかで韓国の不備、不適格を指摘し続ける必要がある。

ところで、菅総理も茂木外相も、前任の南官杓(ナム・グァンピョ)大使の離任挨拶を受け付けなかっただけでなく、今のところ、新任の姜昌一とも当面、面会する予定はないという。しかし、このままでは、信任状を受け取る皇居での公式行事で、天皇陛下が最初にこの男とお会いするという、とんでもない事態を迎えることになる。

いずれにしても、こうした危険人物を送ってきた文在寅を許すことはできず、この人物の一挙手一投足、その言動は、注意深く見守り続ける必要がありそうだ。

富士の高嶺から見渡せば

大学で中国語を専攻して以来、半世紀にわたって中国・香港・台湾を見続け、朝鮮半島にも関心を持ち続けてきました。これらの国との関係は過去の歴史を含め、さまざまな虚構と誤解が含まれています。富士の高嶺から、雲海の下、わが日本と周辺の国々を見渡せば、その来し方・行く末は一目瞭然。霊峰富士のごとく毅然、敢然、超然として立てば、視界も全開、隣国を含めて同時代の諸相に深く熱く切り込めるかもしれません。

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