海洋放出は問題ないと知りながら風評被害を煽る韓国

これで、日本と韓国は永遠に離間し、永遠に解決できない対立を続け、互いにいがみ合い続ける材料がまた増えた。

東京電力福島第一原発の事故現場で貯まり続ける処理水について、日本政府が13日の関係閣僚会議で海洋放出をついに決定した。

これによって、慰安婦問題や元徴用工問題などの歴史問題、さらには竹島不法占領や日本海呼称問題、旭日旗など日本という国の基本に関わる問題に続いて、福島の処理水問題が日韓間の対立の新しい材料となった。

東日本大震災と福島原発事故からの復興という重い課題を背負い、懸命に立ち上がろうとしている福島と日本にとって、処理水の海洋放出は先延ばしすることのできない課題でもある。

福島第一原発の原子炉のなかで溶融したデブリを取り出し、原発プラントを解体処理しない限り、冷却水は永遠に必要であり、貯蔵タンクの処理水は永遠に増え続ける。トリチウムの半減期(12.3年)を考えたら、このまま30年から60年間、タンクで保存すれば、トリチウムはほぼ無くなるとも言われるが、それを待っていたら、原発の解体処理を40年から50年で終えるという復興計画の達成は不可能になる。さらに原発の解体処理を行なう上でも、作業資材や解体処理した構造物などの保管場所として、いま貯蔵タンクが並ぶ広大な敷地がどうしても必要になる。要するに処理水の海洋処理なくして、福島の再生も日本の復興もあり得ないのである。

IAEA国際原子力機関のグロッシ(Rafael Mariano Grossi)事務局長は13日に発表したニュースレターとビデオで、日本政府の決定を支持し、処理水海洋放出の前後を含めてすべてのプロセスでIAEAが緊密に協力すると約束した。

IAEA Ready to Support Japan on Fukushima Water Disposal, Director General Grossi Says

こうしたIAEAの科学的な検証とお墨付きを得て行なわれた日本政府の決定に対し、韓国大統領をはじめ、韓国のメディア、韓国国民はいっせいに罵声をあげて、阻止を叫び、なりふり構わない行動に出ている。

「福島の復興なくして日本の復興はない」と言い続け、福島と東北のかつての姿を取り戻すために必死で取り組んできた福島県民、そして日本国民全体の願いに、韓国と韓国国民は刃を突き立て、風評被害を煽りたて、復興を永遠に阻むための絶好のチャンスだと思っているのだ。

歴史問題などでの感情的な対立とは違い、風評被害は、それこそ福島の漁民や県民の生活、ひいては日本全体の貿易・経済にも直結する問題であるため、日本の国民心理や民族的感情の奥深いところに癒えがたい深い傷を残すことになり、韓国と韓国国民を永遠に許すことができないという怨念の記憶を刻むことになるだろう。

それにしても、IAEA国際原子力機関の支持とお墨付きと、専門家による科学的な評価も定まっている海洋放出について、韓国国内の反応は異常を通り越してもはや狂気そのものだというしかない。

文大統領は日本政府の決定を受けて、国際海洋法裁判所に「暫定措置」つまり放出中止の仮処分を求めて提訴するようにと檄をとばした。しかし、裁判で勝つためには、韓国側が科学的データを揃え、放出が韓国にとって危険なことを証明しなければならず、何年かかってもそんなデータと証拠を集めることは不可能だ。残り任期1年のレームダック大統領は日本との間に永遠の対立のくさびを打っておくことをレガシーにしたいのだ。日本では「赤っ恥をかくのは文在寅のほうだ」とし、この機会に韓国原発からのトリチウム垂れ流しを止めさせるとして、むしろ提訴を歓迎する声のほうが多い。

日本政府が各国の外交官を集めて100回以上も説明会を開き、福島第一原発の現状と処理水の安全性をどれほど説明しても聞く耳を持たず、韓国政府とメディアは、日本政府は情報を公開せず、透明性がないとなじり、処理水をあくまでも「汚染水」だと言い続ける。中国でさえ「廃水」wastewater あるいは「放射性物質を処理した水」treated radioactive waterと言っているにも関わらずだ。

海洋放出という日本政府の決定を、韓国の環境団体は「核テロ」だという。それを言うなら自分たち韓国国民も標的に核兵器の開発に余念のない北朝鮮の金正恩に対して言うべきで、同じ民族として北朝鮮の「核テロ」の脅威を除去することこそ国際社会に負った韓国国民の責任であるはずだ。

「学生気候行動」という大学生グループは、「放射能汚染水がいったん海に放出されれば、事後に汚染を回復することはできない」。「生態バランスを破壊し、世界的な気候危機を引き起こす放射能汚染水の海洋放出を受け入れられない」と訴えている。「放射能汚染水」と叫べばすべて事足りると思っているのかもしれないが、大学生なら自分で調べてしっかりとして科学的根拠をもって発言すべきで、気候変動と海洋放出がどういう関係にあるというのか?トリチウム(三重水素)は自然界にも存在し、宇宙線が大気中の窒素や酸素にあたる核反応でも生成される。つまりトリチウムと人類は最初から共存し、しかもトリチウムによる健康被害は一件も報告されいないのである。それがどうして「生態バランスを破壊」することになるのか?

民間団体が勝手な言い分のいうのは自由だが、国会議員の発言はもっと酷い。

「共に民主党」の最高幹部、都鍾煥(ト・ジョンファン)非常対策委員長は「透明な情報公開と検証もなく汚染水放出を決めた日本政府を糾弾する。国民の健康に危害を及ぼすいかなる行為も容認しない。砂一握りも汚染されてはならない」と強調した。国会外交統一委員長を務める宋永吉(ソン・ヨンギル)議員も「安全に放出するという日本政府の話は信頼できない。全人類に許されることのできない罪を犯すということだ」と発言した。

革新系野党「正義党」姜恩美(カン・ウンミ)院内代表は「殺傷兵器を海に捨てることと変わらない」と批判し「汚染水問題は韓国だけの問題ではない。人類全体に対する明白な犯罪行為」とし、海洋放出決定の撤回を求めた。

朝鮮日報4/14「韓国野党 日本大使館に抗議書簡=「殺傷兵器の海洋投棄」

慰安婦問題でも何でも、自分たちに都合がいいときだけ「全人類」を持ち出すのが彼らで、彼らの勝手な論理と思い込みだけで全人類を代表してもらうのはいい迷惑だ。

彼らの勝手な言い分はこれだけはない。

大韓体育会会長は東京五輪まで100日となった14日、韓国代表選手は「福島県産の放射能に汚染された恐れがある食材、旭日旗、それに新型コロナ」という悪条件にさらされているとし、風評被害を煽った。そこまでいうなら北朝鮮と一緒にボイコットすればいい。

<聯合ニュース4/14>

実際の海洋放出は2年も先なのに、メディアは「食べても大丈夫か?」として今から日本の水産物への不安を煽っている。

<東亜日報4/14「食べても大丈夫?」 日本産水産物への不安高まる>

海洋水産部は日本からタイやブリ、ホタテなど年間3万トン輸入している輸入水産物の流通履歴を監視するため、監視要員1500人を配置し原産地偽装の取締りを行なうのだという。海洋放射性物質の調査も年4回から6回に増やし監視を強化するという。ご苦労なことだが、結構なことだ。ぜひ、いまからデータをとり、変化を確認していただきたい。いずれにしても韓国政府は、消費者の不安を煽り、福島の風評被害を煽ることに躍起で、なんとしても日本を貶めたいと必死なのだ

KBS日本語ニュース4/14「海洋水産部 年間3万トン輸入の日本産水産物取締り強化へ」

これだけ風評被害を煽っておきながら、海洋水産部をはじめとする韓国政府の合同タスクフォース(TF)は去年10月に、処理水の海洋放出は「科学的に問題ない」という趣旨の報告書を出していたことが分かった。TFの「福島原発汚染水関連現況」という題名の報告書によると、原子力安全委員会は専門家懇談会を7回開き、「汚染水を浄化する日本の多核種除去設備(ALPS)の性能に問題がない」との判断を下したという。三重水素(トリチウム)露出の可能性に対しては「生体で濃縮・蓄積されにくく、水産物摂取などによる有意味な被ばくの可能性は非常に低い」とし、汚染水の韓国海域拡散の可能性に対しては「海洋放出から数年後、国内海域に到達しても海流により移動して拡散・希釈されて有意味な影響はないだろう」とした。

<中央日報4/15「日本の原発水、影響大きくない」 韓国政府TF、昨年報告書出していた」

冷静に考えれてみれば、こんなことは中学生でもわかることで、福島沖で放出された処理水は黒潮に乗って、アリューシャン列島、北米大陸へと流れ、北太平洋を一周して日本列島に再び戻ってくるのはいつになるかわからない。その間に1リットル中1500ベクレルという微量のトリチウムは、さらに拡散・希釈されて検出可能限界以下となる。検出もできない物質について被害を云々すること自体に意味はない。何年か後に、仮に朝鮮半島周辺でトリチウムが検出されたとしても、そもそもそれが福島由来であるとは限らない。月城(ウォルソン)原発からでたものである可能性のほうがはるかに高いであろう。

さあ、韓国政府は国際海洋法裁判所でもどこでも早く訴え出るべきだ。文在寅と韓国政府の欺瞞をすべてさらけ出すことになるだろう。

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富士の高嶺から見渡せば

大学で中国語を専攻して以来、半世紀にわたって中国・香港・台湾を見続け、朝鮮半島にも関心を持ち続けてきました。これらの国との関係は過去の歴史を含め、さまざまな虚構と誤解が含まれています。富士の高嶺から、雲海の下、わが日本と周辺の国々を見渡せば、その来し方・行く末は一目瞭然。霊峰富士のごとく毅然、敢然、超然として立てば、視界も全開、隣国を含めて同時代の諸相に深く熱く切り込めるかもしれません。

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