18秒の「慰安婦」動画は何を語るか

たった18秒の動画である。しかし「長編ドキュメンタリー以上の強烈な記憶を残した」と韓国中央日報記者(イム・ソニョン記者)は語る(中央日報7・7)。ハンギョレ新聞は「朝鮮人慰安婦を実際に撮影した動画が確認されたのは今回が初めてだ」という。動く映像が珍しいのか、「朝鮮人慰安婦」の被写体が珍しいのか。わずか18秒だけを切り取り、その前後に何が写っていたのかも分からない。中央日報は「18秒に込められた慰安婦」の「真実」だというが、何がどう真実なのか、まったく理解できない。

ソウル市とソウル大学の共同研究チームが米国立文書記録管理庁に保存されている映像資料のなかから見つけたという「朝鮮人慰安婦」を撮ったという18秒の動画は、以下のyoutubeで見ることができるので、ぜひご覧いただきたい。

( https://www.youtube.com/watch?v=ZKOPkr82Zlg)

動画には、民家の土塀の前に並んで立つ7人の女性を映っている。それを「国民党軍」だという軍服の男たちが興味深そうに覗き込み、幹部と見られる男が何か話しかけ、それに応える女性の姿が見られる。ただそれだけの無声の映像である。和服の女性が一人いる以外は、ほかは皆ワンピースのスカート姿で、これが中国の農村だとしたら、当時としては最新ファッションの垢抜けて小ぎれいな身なりに見える。和服の女性は、落ち着いて堂々としており、不安がっている様子は見られない。ほかの女性も、下を向いたり顔を隠すわけでもなく、おどおどした雰囲気は感じられない。ほんのこれだけの映像から「長編ドキュメンタリー以上の強烈な記憶」を呼び覚ますには、相当な想像力ならぬ創造力・創作力が必要かもしれない。またこの映像から、彼女たちがみな「性奴隷」だと認めるとしたら、もはや並外れた空想力の持ち主というほかはない。

慰安婦をめぐる韓国側のさまざまな動きや情報に対しては、いちいち反応せず、無視することが、相手の情報工作、宣伝煽動に乗らないための、いちばんの方法であることはよく分かっている。それにしても、たったこれだけの映像に大騒ぎするのは、呆れるを通り越して、哀れみさえ感じる。彼らにとって、慰安婦を実証する資料、直接の物証は、それだけ少ないというなのか。「慰安婦」といわれる女性を動画で見たというだけで、これだけ大騒ぎできるというのは、そういうことではないのか。

彼らの主張では「性奴隷」にされた女性は「20万人」いたとされるが、その実際の姿を捉えた動画には、わずか7人の姿しか映っていない。その他の20万人ものの女性は、どこに消えたのだろうか。終戦時にみな殺しにされたのだと彼らがいう。それなら集団虐殺の現場があちこちにあるはずだが、韓国政府がその現場を調査したという話しは聞いたことがない。

中央日報記者は改めて「日本は全世界の慰安婦20万人に心から謝罪しなければならない。被害者がその心を受け入れる日まで」と書く。

すでに鬼籍に入っている20万人もの哀れな女性たちの魂を救うためにも、その葬られた場所を探し出し遺骨を収集し、弔ってやるのが先ではないか。どこにその場所があるかは、誰も知らないが・・。

いずれにしても、謝罪しようにも相手がいないのであれば、謝罪を受け入れてくれる日は今後も永遠にこない。いま謝罪を要求する彼らも最初からそんな謝罪など受け入れるつもりはなさそうだ。要するに何を言っても無視し、抛って置くしかない、ということか。

富士の高嶺から見渡せば

大学で中国語を専攻して以来、半世紀にわたって中国・香港・台湾を見続け、朝鮮半島にも関心を持ち続けてきました。これらの国との関係は過去の歴史を含め、さまざまな虚構と誤解が含まれています。富士の高嶺から、雲海の下、わが日本と周辺の国々を見渡せば、その来し方・行く末は一目瞭然。霊峰富士のごとく毅然、敢然、超然として立てば、視界も全開、隣国を含めて同時代の諸相に深く熱く切り込めるかもしれません。

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