(韓国では6月3日の大統領選挙に向けて立候補の届け出が10、11日に行われる。野党の李在明(イ・ジェミョン)候補が各種世論調査で40%台後半の支持率を獲得し、当選を確実にする独走状態の勢いを示す中で、一方の与党「国民の力」の公認候補・金文洙(キム・ムンス)前雇用労働部長官と無所属の韓悳洙(ハン・ドクス)前国務総理との一本化にむけた党内議論は暗礁に乗り上げている。最終的にどう落ち着くかはわからないが、韓悳洙は一本化が実現できなければ、立候補しないとしていることから、このままでは与党候補は金文洙氏ということになり、金文洙氏と李在明の一騎打ちという構図が強まっている。その金文洙氏とはどういう人物なのか?その経歴と主張が垣間見える記者会見の模様を日本語に訳して資料として残しておくことにしたい。
金文洙氏の記者会見は、5月8日、ソウルプレスセンターで寛勲(クァンフン)クラブが主催して行われた。因みに「寛勲クラブ」とは、韓国の新聞人の親睦と言論活動の発展のために1957年に組織された団体で、言論活動発展のための研究、支援、海外研修事業、各界の指導者を招いた討論会の開催など活動をしている。)
李在明「非道勢力」に国を任せる訳にはいかない
こんにちは。国民の力の大統領候補、金文洙です。歴史と伝統を誇る寛勲クラブの会員の皆様、お招きいただき感謝いたします。
私は切迫した心情と重大な使命感を持って、皆さんの前に立つことになりました。
反米を民族主義で覆い、社会主義を普遍的な福祉と偽り、そして現金ばらまきを経済再生に見せかける勢力に、この国を任せるわけにはいかないという切迫感から、立候補を決意しました。非道な李在明勢力は政権奪取の可能性が高くなるやいなや、これまで隠していた本性(馬脚)をより露骨に表すようになりました。31回に及ぶ糾弾弾劾と予算の単独採決という暴挙、大統領弾劾では飽き足らず、大法院長(最高裁長官)まで弾劾しようとし、李在明の裁判も中止しろと脅迫しています。
毅然として立ち上がり、こうした非道な勢力と戦います。私、金文洙は党員同志と国民が選択した執権与党「国民の力」の正当な公式候補です。
大統領選挙の勝利のために候補一本化という切実な過程が必要です。しかし、候補一本化は国民と党員同志が納得できる方法で推進されてこそ、その威力が発揮されます。ところが今、国民の力でどんなことが起こっていますか?正当な手続きと正当な予備選挙を経て選出された候補を、党の一部の指導部が引きずり下ろそうとする行為を行っています。
二度も大統領を守ることができなかった党が、一部の人たちが結託して大統領候補まで引きずり下ろすなら、党員同志と国民がこれを受け入れることができるでしょうか?今、進められている一連の過程は、候補の一本化ですか?候補の交替ですか?大韓民国が進むべき正しい道とは、果たしてどんな道でしょうか。
左派運動圏で活動した青春時代
私は若い頃から、ただひたすら「民主永生、独裁必亡」を目指し、私の人生を捧げてきました。20歳の大学生の時、7年間労働者として生きてきました。ソウル清渓川(チョンゲチョン)の被服工場で裁断の補助として働き、ハンイル・ドルコではかみそりの刃を作りました。
私は極端な不正に抵抗する人生を送ってきました。軍事政権の鉄拳統治に抵抗し、文在寅政権の危険な親北路線にも抵抗しました。私の人生は、この地に真の自由と民主を実現するための大長征でした。国会議員と京畿道知事という重責を担ってからは、この国の競争力を高めるために全身全霊を捧げました。京畿道知事時代、ありとあらゆる反対を押し切って始めたGTX(首都圏広域急行鉄道)と板橋(パンギョ)テクノバレー、そして平沢(ピョンテク)のサムスン半導体団地は、今や大韓民国の交通革命と成長の原動力を引っ張る中心地となっています。
「現場で答えを見つける」が政策実施の原点
庶民と普通の人々の暮らしをどうすれば引き上げることができるか、現場で答えを見つけようと、京畿道知事時代にタクシー運転手として働きました。「現場に答えがある」という私の信念は成果と実績につながりました。今日、わが国の福祉を代表する政策として定着した「無限ケア」(無限の世話)も、また貧困家庭への現場訪問で発掘した政策の代案でした。
私は熟慮の末に、今回の大統領選挙の第1号公約で、「企業が活躍する国づくり」を掲げました。国民に現金を配るのではなく、現金を稼がせること、これが金文洙の核心哲学です。企業が生きてこそ、雇用も生まれ、労組も存在し、福祉も可能になるのではないでしょうか。画一的な労働時間制度をより柔軟に変え、企業が活き活きと仕事ができるように、法人税や相続税を大幅に引き下げ、規制を打破します。
青年政策は、私、金文洙の最大の関心事です。「ただ休んでいるだけだ」という青年が50万人を超えるという、この現実を必ず解決します。このような危機的状況では、清廉で誠実な人、仕事をしてきた人、実績を上げてきた人、底辺から熱く生きてきた人に、任せるべきではありませんか。
人々は、「金文洙、あなたの競争力は何ですか」と聞きます。私は、熾烈な私の人生の軌跡こそが、競争力だと考えます。言葉ではなく行動で語ってきた私の人生が保証小切手だと信じています。国民の皆さん、この金文洙を信じて、金文洙に任せてくださいと説にお願いします。
今までそうだったように相変わらずいつも低い所で熱く、皆さんと共にあることを約束します。私たち皆一緒に手をつないで、より偉大な大韓民国を向かって力強く前に進みましょう。
(以下は質問への回答)
韓悳洙氏との候補一本化について
韓悳洙(ハン・ドクス)氏は、国民の力に入党をしていません。一本化によって本人に花道を用意してくれれば入党するということです。そうでなければ入党自体もせず、候補登録もせず、無所属候補として登録もしないと言っています。これは何ですか?この正体は何ですか?本来、一本化というのは、候補が乱立して票が分散するのを避けるために行うものです。なのに、候補登録もしない、党への入党もしないという人が、私のような公式な手続きを経て党大会で選ばれ、その困難を乗り越えてきた公式な政党の候補と、無所属でも出馬せず、入党もしない人と一本化を強要する、これはいったいどこからどうして起きた、いかなる事態ですか?
私が選出されたのは、5月3日の祝日でした、それから祝日や連休が続き、昨日ようやく再開したばかりで、まだ数日も経っていないのに、今、無理やり無条件で一本化しろと言っています。例えば韓悳洙候補が公式候補として登録して、あとを追うべきではないですか?そして私も登録して、走り回って訴えたりして、投票日が6月3日だから、その投票日よりずっと前に、私の主張はほぼ20日、18日以上前に一本化すれば、十分な一本化の時間があります。なのに、登録もしない、無所属で登録せず入党もしないという人を相手に、幽霊と一本化しろというのですか?これは正しい政党民主主義なのか、私には分かりません。
非常戒厳と尹大統領弾劾に対する立場
非常戒厳については、はっきりと申し上げますが、自分の人生において私は戒厳令の最大の被害者の一人です。戒厳令にはずっと反対してきました。軍事力が動員されるのは、最後の手段であって、そのように軍が動員されること自体があり得ないと私は思います。誰がやろうとも、軍事力の動員が避けられない場合でなければ、絶対に戒厳令はあってはなりません。わが国のように、民主化の過程で多くの戒厳令を経験した国、国民の記憶に残る、こういう非常戒厳は本当に間違っています。
二つ目に、弾劾についてですが、弾劾はこれまで2度、成功しています。一度は朴槿恵大統領の弾劾、もう一度は今回の尹錫悦(ユン·ソンニョル)大統領の弾劾です。どちらも党内だけで起きたのではなく、党内で自分たちが選んだ大統領を、野党と結託して、弾劾に加担して実現させたものではありませんか?違いますか?
これは政党の原則にも合いません。政党って何ですか?志を同じくする人たちの集まりです。なのに、自分たちで選んで、自分たちが押し立てた大統領を、野党と手を組んで弾劾し、追い出す?そんな政党に果たして政党としての資格があるといえるでしょうか?そういう問題について言っただけで、誰が弾劾されるかされないかは、結局は憲法裁判所が判断するものです。しかし、憲法裁判所が、わが国が過度に政治化し、偏向があると申し上げているのです。しかし、いずれにせよ憲法裁判所が制度的な憲法裁判所として下した判決は、尊重して受け入れなければなりません。
ところで、この部分について真摯に謝罪しなければならないことがあるとすれば、この弾劾については、わが党には様々な問題があり、いま国民に見せている我が党の本当に恥ずかしい姿、これについて本当に謝罪せざるを得ません。私にも大きな責任があります。このような部分については丁寧なお詫びして、私たちの反省と省察が必要です。
不正選挙について選管は誠実に答える義務がある
不正選挙とは何か。この問題は、国民の中でも大きな議論になっています。しかし、私は不正選挙に対して疑惑を提起する人がつねにいる中で、そういう人々に対して、選挙管理委員会が誠実に回答するという、行政機関としての責任と義務があると思います。それにもかかわらず継続して問題を提起される点について、行政自体の責任と義務があるという立場です。ところが選挙管理委員会は「それはすでに全部明らかにした。 もう提起するな」と言うんですが、僕は例えば、一番問題になるのが事前投票なのですが、事前投票も遠隔地で投票する場合、その投票用紙を本人の住所に送付する過程や5日間保管する過程に誤りはないのか、他の問題はないのか、さまざまな問題がある中で、事前投票については、全面的な見直しが必要だと考えています。国民が主権者として、正当であれ不当であれ、問題提起したことについては、選挙管理委員会は必ず誠実かつ継続的に答弁して釈明しなければならない責任があると思います。
城南市長時代の李在明は兄だけでなく市民20人を強制入院させていた
私は李在明(イ·ジェミョン)候補について、かなり多くのことを知っているので、李在明候補とちょっと議論してみたいと思います。しかし、李在明候補について、一番理解できないのは、彼のお兄さんである公認会計士イ・ジェソン氏が亡くなる前、私が京畿道知事の時に訪ねてきて会ったことがあります。そして、彼の義姉(兄嫁)にも会いました。しかし、私がとうてい理解できないのは、自分の兄が自分と政治的立場が異なったからといって、どうして兄を精神病院に強制入院させようと考えたのか?
それだけではなく、城南(ソンナム)市民約20人も強制的に行政入院させました。他の市ではそんなことはありません。そして自分の義姉にひどい悪口を言うのを見ると、いくらなんでもどうしたらあんな悪口を言えるのか、この点についても、私は到底理解できなくて、どうしたらそんなことになるのか、知りたいと思っています。
また、詐称についても、検事を詐称したり、独身だと詐称したり、これもどうして可能なのか、私としては到底理解できないので、彼と会って話を聞いてみたいです。
(訳文は、<なぜなぜ韓国「金文洙(キム・ムンス)を最も分かりやすい動画」>からハングルで字起こししたものを自動翻訳し、「なぜなぜ韓国」の日本語字幕を参考に修正を施した。)
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